結論から言いますと、寿命はわかりません。というのも、コンクリートというものが生まれてから、まだようやく100年と浅いため平均年齢がはっきりしないということに加えて、塩分の採りすぎがいけなかったり、セメントのアルカリに出会うとだめになる性質の石が見つかったり、ひびわれという宿命を克服する対処療法の歴史もまだまだ浅いといった理由のためです。
ところで、ローマにはパンテオンと呼ばれる建物があります。今は教会になっていますが、もとは古代ローマ帝国時代の寺院でした。このパンテオンが実はコンクリート製なのです。ただし鉄筋は入っていません。

古代ローマ帝国世界のあちこちに建てられたコロッセウムという闘技場もコンクリートが使われています。
その後年月が過ぎて、19世紀の終わりごろになると、鉄筋とコンクリートがお互いの弱点をカバーしあって屈指の力を発揮するという、うるわしい友情物語が始まります。 当時の先進工業都市パリには1903年に建てられた鉄筋コンクリートのマンションが残っています。
日本では、1923年の関東大震災のあと、これからは鉄筋コンクリートだという掛け声のもとに多くの公共建物が建てられてきました。でも、たかだかそれぐらいの年月しかったっていません。だから寿命はわからないのです。 しかし、天敵はわかっています。水・酸素・二酸化炭素です。寿命を伸ばすためにはこれらの敵をシャットアウトすることです。
マンション建物では、これら三大天敵ができるだけ鉄筋コンクリート内部に入らないように改修することが大切です。