※この記事は小野工建の旧サイト「momana」コーナーでかなり以前に公開し、長くご好評いただいた記事です。やや古い点もありますが、そのまま公開させていただきます。

1989年(平成元年)11月21日、九州の住宅・都市整備公団の外壁タイルが剥離して死傷者がでたことを覚えていらっしゃいますか?マンションの外壁の仕上げに使われていたタイルが高いところから落下して大きな事件となったのです。
その後、大阪では、マンションのバルコニーの床が傾いているということで,担当者が調査している最中に手摺の根元が折れた事件がありました。下で洗濯物を干していた主婦に幸いケガはなかったということでしたがさぞ驚かれたことでしょう。
神戸のあるマンションでは、屋上周囲のコンクリートが落下し、たまたま駐車していた乗用車の屋根を突き破った事件がありました。 もし,乗用車が駐車していなければ人が歩いていたかもしれない場所でした。
京都では、スチール手摺の根元のコンクリートが、いくつも落下したために急遽、一時金を募ってアルミ手摺への付け替えを断行した管理組合もあります。
近い話としては、阪神大震災のときには、外壁タイルがばらばらと道路に落下したり、ジョイント金物がはずれたり、ガラスが割れたりしたマンションもありました。

マンション建物は半屋外と呼ばれる部分をたくさん持っています。バルコニーや廊下がそうです。屋外ともいえるし屋内ともいえるといった個所です。さらにバルコニーや廊下には、手すりや雨樋、鉄骨階段などいろいろとトラブルを招きやすいたくさんの凹凸部分があるのです。 そこで、このようなかたちのマンション建物を維持管理していくためには、危険を早めに察知するシステムがあるかどうか、また、管理組合が建物の良好な維持ということにどれだけ熱心かということが大きなポイントになります。

マンションに潜む危険性

危ない話ばかりで申しわけありませんが、危険性をかかえているマンションはたくさんあるのではないでしょうか。たしかに、「マンションだけが危ない」とはいえないでしょう。でも、「マンションだから危ない」という要素もあるのです。 それは『かたち』と『手入れ方法』が他の種類の建物と違うからです。

例えば、管理規約はどのように改正したら良いのか、長期計画はどのように作成したら良いのか、大規模改修工事はどのように進めていけばよいのか。こういったことからについても、誰とどのようにすすめていけば良いのかルールができていると、スムーズにことが運ぶはずです。 しかし、ただルールがあれば良いというものでもないようです。というのは、ルールというものは、お互いに理解できるという関係があって初めて効力を発揮するからです。

内にも外にも良い関係を

あるマンションの例ですが、管理組合と管理会社の関係がうまくいかず理事会があるたびに管理会社に対する不満がでていたのですが、ある時、それまでの経緯を知らない新しい理事と新しい管理会社の担当者が、とにかく誤解が起こらないようにいろいろ情報交換して話し合いましょう、と丁寧に手間と時間をかけたところ、問題点を解決する糸口が見えてきたということでした。つまり、管理組合にとって内部のコミュニケーションと共に、外部とのコミュニケーションの両方がとても大切なのです。お互いに信頼関係を保ちながら知恵を出し合っていけるかどうか。マンションの良好な維持はココにかかっています。

積極的な話し合いを

ルールを支えるコミュニケーションというものは、与えられるものではなく、いつも積極的に作っていくという努力が必要なのかのかもしれません。
次号からも、コミュニケーションについて考えていきたいと思います。

もしもマンションでなにか問題が起ったら

マンションで何か問題が起こったらあなたはどうしますか?
例えば、どこかで何かのベルが鳴り続けているとか、エレベーターに人が乗ったまま止まってしまったとか、外壁が剥離して歩いている人の上に落ちてきたとか…。
管理人が常駐していればその人にまず連絡をとるでしょう。もし不在なら管理会社に電話するでしょう。あるいは○○さんが理事長だったはずだと思い出して連絡にいくかもしれません。

ルールをつくる

困った時に誰にどのように連絡するかということは、ふだんからルールがあれば問題にはなりません。日常生活の中での通報という連絡ルールのことだけでなく、もっと大きな流れとしてのルールも便利なものにしておきたいものです。

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